ChatGPTで5F（5Force）分析を行なうプロンプトの例文を紹介！様々な業界の分析結果

2023.12.21

#分析

ビジネスでは様々な分析のフレームワークが存在します。

なかでも5F分析（ファイブフォース）分析は外的要因に特化した分析手法であり、その業種にいると客観的に見ることが難しいことも多くあります。

しかし、外的要因の分析であることを考えると、ChatGPTができることの中でも最も得意分野と言えます。

今回は、5F分析のためのプロンプトを紹介しますので、ぜひご参考になさってください。

INDEX

ChatGPTに5F分析をさせるプロンプト

さっそくプロンプトを紹介します。

関連記事：ビジネス用GPTプロンプト集10選！コピペ可例文付きで紹介

#命令文:
あなたは全ての業界を知っている経営者です。
以下の{業界} のファイブフォース分析を実行し、{出力フォーマット} の通りに出力してください。

#業界:
（ここに業界を入力）

#出力フォーマット:
**競合他社の脅威**：
**代替品の脅威**：
**新規参入者の脅威**：
**買い手の交渉力**：
**売り手の交渉力**：

この（ここに業界を入力）の所に業界や業種を入力するだけで5F分析が可能となります。

飲食業界の5F分析

まずは飲食業で行なってみました。

ChatGPTの回答

競合他社の脅威：
飲食業界は非常に競争が激しい。新しいトレンドや健康志向、エスニック料理などの多様性により、顧客の嗜好が変わりやすい。
フランチャイズ、チェーン店、地元の独立したレストランなど、さまざまな形態の競合が存在する。
テクノロジーの進化により、デリバリーサービスやオンライン注文が増加し、伝統的なレストランとの競争が激化している。
代替品の脅威：
家庭での料理やミールキットの利用が増加しており、外食の必要性を減少させる可能性がある。
ヘルスケアやダイエットのトレンドに基づいた製品やサービスが、伝統的な食事オプションの代わりとなりうる。
インスタント食品やコンビニエンスストアの弁当など、手軽に取得できる食品も代替としての位置を強化している。
新規参入者の脅威：
初期投資が比較的低いため、新しいレストランやカフェの開業は容易である。
しかし、高い固定費やブランドの構築、質の維持など、運営に関する多くの挑戦が存在する。
テクノロジーの進化により、小規模ながらも独自性のある飲食サービスが増加している（例：食事配達サービス、ポップアップレストランなど）。
買い手の交渉力：
顧客は多くの選択肢を持っているため、価格、サービス、品質などに敏感である。
SNSやレビューサイトの影響力が増しており、悪い評価やフィードバックは事業に大きな影響を及ぼす可能性がある。
割引やプロモーションに対する期待が高まっており、顧客獲得のためのコストが上昇している。
売り手の交渉力：
食材の供給業者や農家との関係が、食品の品質やコストに直接影響を及ぼす。
特定の食材の需要が高まると、価格の上昇や供給の不安定性が発生することがある。
持続可能な供給やエシカルな調達を求める消費者の要求に応じるため、レストランやカフェは供給業者との良好な関係を維持する必要がある。
ChatGPT

雑に「飲食」とだけ入力するだけでそれなりの回答は得られます。

IT業界の5F分析

画像では上の飲食の5F分析の結果が見切れていますが、リセットを行なわずに続けて入力すれば、IT業界と入力するだけで結果を出力できます。

競合他社の脅威：
IT業界は急速に進化し、多くの新しい技術やソリューションが継続的に市場に登場している。
既存の大手企業だけでなく、スタートアップも市場に新しいイノベーションを持ち込んでおり、競争は激化している。
クラウド、AI、ブロックチェーン、IoTなど、新しい技術の採用が競争のキーとなっている。
代替品の脅威：
既存のソフトウェアやハードウェアの代わりとなる新しいソリューションが頻繁に登場している。
オープンソースのソリューションやフリーソフトウェアが、商業製品の高価な代替品として利用されることが増えている。
クラウドベースのサービスが、従来のオンプレミスのソリューションを置き換える傾向にある。
新規参入者の脅威：
IT業界の障壁は比較的低く、スタートアップが容易に市場に参入できる。
技術の進化と資金調達の容易さにより、新しい企業やソリューションが継続的に市場に登場している。
しかし、スケールとブランドの構築は時間とリソースが必要であり、大手企業との競争は厳しい。
買い手の交渉力：
顧客は多くの選択肢を持ち、ソリューションやサービス提供者を容易に切り替えることができる。
ITの導入や更新は高コストであり、顧客はROIを重視して選択する傾向がある。
企業は継続的なサポートやアップデートを求めるため、長期的な関係の構築がキーとなる。
売り手の交渉力：
半導体産業やソフトウェア開発ツールの供給者など、特定のITコンポーネントの供給者は市場における強い交渉力を持つ場合がある。
一部の特許技術やライセンスには限られた供給元が存在し、これが価格や利用条件の決定に影響することがある。
クラウドプロバイダーや大手ソフトウェアベンダーなど、特定の分野でのリーダー企業は、その市場セグメントにおいて高い交渉力を持っている。
ChatGPT

出力結果はいいのですが、良すぎると面白くないのが難点ではあります。

芸能界の5F分析

ちょっと思考を変えて、芸能界でやってみましょう。
先ほどと同じようにIT業界から連続して入力しているので「芸能界」とだけ入力すれば回答してくれます。

競合他社の脅威：
芸能界は個人の才能や魅力に基づいており、常に新しいタレントやグループが登場している。
SNSやYouTubeなどのデジタルメディアの普及により、伝統的な芸能エージェンシーを経由せずにブレイクするアーティストやクリエーターが増加している。
各タレントやグループは、エンターテインメントの多様性や変わりゆくファンの嗜好に対応する必要がある。
代替品の脅威：
映画、音楽、テレビ番組、YouTubeチャンネル、ポッドキャスト、ゲームなど、エンターテインメントの形態は多岐にわたる。
伝統的なメディアやエンターテインメントの形態に対する代替として、オンラインコンテンツや独自のプラットフォームが増えている。
VRやARのような新しい技術も、伝統的なエンターテインメント体験の代替として浮上している。
新規参入者の脅威：
SNSやデジタルプラットフォームの普及により、個人が自らのブランドを構築し、大きなフォロワーベースを持つことが容易になっている。
伝統的な芸能エージェンシーや制作会社を経由せず、独立して活動するクリエーターやアーティストが増加している。
新しい技術やプラットフォームを利用した新規のエンターテインメントビジネスも登場している。
買い手の交渉力：
ファンや視聴者は、どのコンテンツやアーティストをサポートするかの選択権を持っている。
メディア消費のカスタマイズやオンデマンドサービスの普及により、視聴者やファンの選択肢は増加している。
SNSやレビューサイトによる意見やフィードバックは、芸能人のキャリアや作品の成功に大きな影響を与える。
売り手の交渉力：
トップアーティストや高評価を受けているクリエーターは、契約交渉やエンドースメントにおいて高い交渉力を持っている。
一部の大手芸能エージェンシーや制作会社は、メディア展開やプロモーション活動における強い影響力を持つ。
特定の分野やジャンルでの専門性を持つエージェンシーやマネージャーは、その分野内での交渉力を保持している。
ChatGPT

マーケティング業界の5F分析

5F分析など色々な言葉を量産させている主犯格であるマーケティング業界もついでに暴いてやりましょう。

競合他社の脅威：
マーケティング業界は常に変化とイノベーションに満ちており、新しい戦略、ツール、技術が頻繁に登場している。
デジタルマーケティングの急速な成長に伴い、伝統的な広告代理店とデジタル専門のエージェンシーとの競争が激化している。
ソーシャルメディア、SEO、コンテンツマーケティング、データ分析など、多様なサブセクターが存在し、それぞれの分野での競争が続いている。
代替品の脅威：
伝統的な広告（テレビ、ラジオ、新聞、雑誌）とデジタル広告（オンラインバナー、ソーシャルメディア広告）との間で、企業は予算をどのように配分するかを検討している。
インフルエンサーマーケティング、コンテンツマーケティング、VR/AR体験など、新しいマーケティング形態が伝統的な広告の代替として浮上している。
消費者の信頼性やROIを重視する動きが強まる中、広告の代わりにブランドのストーリーテリングやエンゲージメント重視の手法が採用されることが増えている。
新規参入者の脅威：
デジタル技術の進化と低コストのマーケティングツールの普及により、新規のマーケティングエージェンシーやコンサルタントの参入が容易になっている。
ニッチな領域や特定の業界に特化したマーケティングサービスを提供するスタートアップが増加している。
しかし、信頼性の確立や大手クライアントの獲得は、新規参入者にとっての挑戦となる。
買い手の交渉力：
企業やブランドは、マーケティング活動のROIを厳しく評価する傾向がある。
多様なマーケティングソリューションやエージェンシーから選択できるため、クライアントの交渉力が増している。
データ駆動のマーケティングが普及しており、明確な成果を示すことがエージェンシーにとって重要となっている。
売り手の交渉力：
デジタル広告のプラットフォーム（例: Google、 Facebook）や特定のマーケティング技術を持つ企業は、市場における強い交渉力を持つ。
特定のデータや技術、専門知識を持つエージェンシーは、その領域での高い価値を提供することができる。
グローバルに展開している大手マーケティングエージェンシーは、規模の経済や多岐にわたるサービス提供能力を活用して、交渉の優位性を保持している。
ChatGPT

脅威が多いですね。

精度を上げるためのMECEプロンプト

さらに精度を上げるために「MECEで考えてください」と付け加えると若干精度が上がります。
MECEとは「漏れなく、ダブりなく」という意味です。

#命令文:
あなたは全ての業界を知っている経営者です。
以下の{業界} のファイブフォース分析を実行し、{出力フォーマット} の通りに出力してください。
MECEで考えてください。

#業界:
飲食業

#出力フォーマット:
**競合他社の脅威**：
**代替品の脅威**：
**新規参入者の脅威**：
**買い手の交渉力**：
**売り手の交渉力**：

競合他社の脅威：
多様性と競争の激しさ：飲食業界は非常に競争が激しく、レストラン、カフェ、ファストフード、ストリートフードなど、様々な形態が存在します。地域ごとに異なる食文化も競争を加速させています。
価格競争：低価格帯から高級レストランに至るまで、幅広い価格帯での競争があります。価格競争は特にファストフードやカジュアルダイニングセグメントで顕著です。
品質とサービスの差別化：料理の品質、サービス、雰囲気、ロケーションなど、顧客体験を差別化することが重要です。これが顧客の選択と忠誠心に大きく影響します。
代替品の脅威：
家庭料理とテイクアウト：家庭での料理やテイクアウトサービスが増加すると、飲食店の需要は減少します。特に健康志向やコスト意識の高い消費者にとって、これらは有効な代替手段です。
レディーメイド食品：スーパーマーケットやコンビニエンスストアで提供されるレディーメイド食品も、飲食店にとっての代替品となり得ます。手軽さと価格の面で競争力があります。
新規参入者の脅威：
低い進入障壁：特に小規模な飲食店やポップアップスタイルの店舗には、比較的低い進入障壁があります。これにより新規参入者が容易に市場に参入できます。
革新的なコンセプトの導入：独特なコンセプトやエスニック料理、ヘルス&ウェルネスを重視した料理など、新しいトレンドに乗った新規参入者が市場に新たな動きをもたらす可能性があります。
買い手の交渉力：
選択肢の多さ：消費者には多くの選択肢があり、容易に他の店舗や代替品に乗り換えることができます。これにより、消費者の交渉力は比較的高いと言えます。
価格感度：特に価格が重要な要因となる低価格帯のセグメントでは、消費者の価格感度がビジネスに大きな影響を及ぼします。
売り手の交渉力：
原材料の供給者：特定の食材に依存する場合、供給者の交渉力は高くなります。しかし、多くの代替品が存在する場合、その影響は低減されます。
人材の供給：経験豊富なシェフやスタッフの供給が限られている場合、これらの人材の交渉力は高まります。サービス品質を維持するためには、適切な人材を確保することが重要です。
ChatGPT

ギリギリ文字数制限に引っかかるレベルの出力を得られました。
「ことが重要です。」だけが入りませんでしたが突破しました。

関連記事：ChatGPTの文字数制限は？突破用のプロンプトも例文付きで解説

精度を上げるためのメタ認知プロンプト

メタ認知プロンプトもMECEと同じように、精度を上げるための手法です。
ChatGPTに回答を自ら考え直させるために使用します。

#命令文:
あなたは全ての業界を知っている経営者です。
以下の{業界} のファイブフォース分析を実行し、{出力フォーマット} の通りに出力してください。
成果物を生成する前に、本当に適切かどうかをもう一度考え直した上で生成してください。
生成した後で、成果物に対する自己評価を行ってください。

#業界:
飲食業

#出力フォーマット:
最初の回答:
**競合他社の脅威**：
**代替品の脅威**：
**新規参入者の脅威**：
**買い手の交渉力**：
**売り手の交渉力**：
考え直した後:
**競合他社の脅威**：
**代替品の脅威**：
**新規参入者の脅威**：
**買い手の交渉力**：
**売り手の交渉力**：
**自己評価**:

最初の回答:
競合他社の脅威：
飲食業は競争が非常に激しい業界です。多様な料理のスタイル、価格帯、サービスの質により、消費者に選択肢が多く提供されています。大手チェーン店から地域の個人経営店まで、競合他社の脅威は高いと言えます。
代替品の脅威：
飲食業における代替品には、レストランのテイクアウトやデリバリーサービス、さらには家庭での料理や加工食品などが含まれます。健康志向の高まりや家庭料理のブームにより、この脅威も無視できません。
新規参入者の脅威：
飲食業への新規参入は比較的容易であり、特に小規模なビジネスにおいては初期投資が少なくて済むことが多いです。しかし、ブランドの確立や市場での競争力を獲得するまでが難しいため、新規参入者の脅威は中程度と考えられます。
買い手の交渉力：
個々の消費者の交渉力は限られていますが、飲食選択の多様性により、顧客は簡単に他の選択肢に移ることができます。したがって、顧客の選好や嗜好に応じて柔軟に対応する必要があり、買い手の交渉力は比較的高いと言えます。
売り手の交渉力：
原材料の供給者や食品製造業者は多岐にわたりますが、特定の高品質な食材や特殊な製品に依存している場合、その売り手の交渉力は高くなります。一方、一般的な食材に関しては、売り手の交渉力は低めです。
考え直した後:
競合他社の脅威：
地域性や市場特性を考慮すると、競合他社の脅威はさらに複雑であり、特に都市部では新しいコンセプトのレストランが次々と登場するため、競合他社の脅威は非常に高いです。
代替品の脅威：
COVID-19パンデミックの影響で、テイクアウトやデリバリーサービスが大幅に普及しました。これにより、代替品の脅威は以前よりも高まっています。
新規参入者の脅威：
新しい食のトレンドや技術の進化により、新規参入者が市場に新しい価値を提供しやすい側面もあります。そのため、この脅威は初めの分析よりもやや高いと再評価します。
買い手の交渉力：
オンラインレビューやSNSの影響力を再考すると、顧客の声が直接ビジネスに影響を及ぼすことが多いため、買い手の交渉力は非常に高いと言えます。
売り手の交渉力：
サステナビリティやエシカルな食材の需要が高まっていることを考慮すると、特定の高品質な食材に対する売り手の交渉力は以前よりも高くなっている可能性があります。
自己評価:
この分析は、飲食業の複雑さと動的な特性を広くカバーしています。初期分析と再評価のプロセスを通じて、業界の状況に対するより深い理解を得ることができました。しかし、地域特性や特定のサブセクターに特化した分析が不足しているため、全体的な評価としては満足ですが、さらなる詳細な調査が必要です。
ChatGPT