スペイン語・ポルトガル語・イタリア語の違いとは?相違点を解説

スペイン語、ポルトガル語、イタリア語は、それぞれユニークな特徴と歴史を持つロマンス語派の言語です。

地中海に煌めく太陽、石畳の路地に響く陽気な笑い声、そして情熱的な言葉の調べ。それは、ラテンの血が脈打つロマンス語圏の息吹です。

スペイン語、ポルトガル語、イタリア語の一見似ている言語は、実はそれぞれ個性豊かな魅力に溢れています。

この記事では、これらの言語の起源、文法的特徴、発音の違い、および文化的背景に焦点を当て、それぞれの言語の相違点を詳細に解説します。

今回は、この美しい言語たちの「違い」に迫り、ロマンス語の世界の扉をそっと開いてみましょう。

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スペイン語、ポルトガル語、イタリア語の起源はラテン語

スペイン語、ポルトガル語、イタリア語は、いずれも古代ローマ帝国の公用語であったラテン語を祖先に持つロマンス語群に属します。

しかし、その辿ってきた歴史は少しずつ異なります。

スペイン語の歴史

スペイン トレド カテドラル

スペイン語は、紀元前3世紀ごろにイベリア半島に到来したローマ人によってもたらされたラテン語が変容し、アラビア語の影響も受けて誕生しました。

中世を通じて、様々な地域言語との混合が進み、現代のスペイン語に至ります。

中でも、レコンキスタと呼ばれるキリスト教勢力によるイスラム教徒支配からの解放運動を経て、15世紀末にはカスティーリャ語がスペイン全土の共通語として確立されました。

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ポルトガル語の歴史

ポルトガルのコインブラ

ポルトガル語もまた、ラテン語に由来しますが、その発展はスペイン語とは異なる経路をたどってきました。

ポルトガル語は、イベリア半島西部でラテン語が変化したガリシア・ポルトガル語がルーツです。

12世紀に独立国家を築き、大航海時代を通じて世界各地に広がり、ブラジルポルトガル語をはじめとする多様な方言を生み出しました。

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イタリア語の歴史

古代ローマの遺跡

イタリア語は、ラテン語の直接の子孫であり、中世初期に多様な地方言語として分岐しました。

特に、イタリア半島中部を中心に展開していたトスカーナ方言を基盤としています。

ルネサンス期に文学者ダンテが「神曲」をトスカーナ方言で執筆したことで、イタリア全土に広がり、イタリア統一運動を経て、標準語として定着しました。

近代からのダンテ・アリギエーリの作品などによって、現代イタリア語の基礎が築かれました。

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文法の違い

起源はラテン語であり、現在まで辿ってきたルーツやカルチャーにより変わってきた3言語です。

ラテン語を祖とするところから似ている所も多くありますが、ここでは文法的な違いについて紹介していきます。

スペイン語の文法

スペイン語は、ロマンス諸語の中でも特に文法規則が明確で、理解しやすい言語とされています。

スペイン語特有の文法的な特徴には以下のようなものが挙げられます。

動詞の活用

スペイン語の動詞は、人称と数に応じて変化します。

また、時制や法(直説法、接続法、命令法)によっても形が変わるため、動詞の活用はスペイン語を学ぶ上で最も重要な部分の一つです。

性と数の一致

名詞と形容詞は性(男性・女性)と数(単数・複数)によって変化します。
この性と数の一致は、文を正しく構成するために不可欠です。

冠詞の使用

スペイン語では、名詞にはほとんどの場合、定冠詞または不定冠詞が伴います。
これらの冠詞も性と数に応じて形が変わります。

ポルトガル語の文法

ポルトガル語は、スペイン語と多くの共通点を持つものの、いくつかの重要な違いがあります。

動詞の活用が複雑

ポルトガル語の動詞活用はスペイン語よりも複雑で、特に接続法の使用が多岐にわたります。

また、ブラジルポルトガル語とヨーロッパポルトガル語では、文法の規則が異なるものがあります。

音節末の子音の発音

ポルトガル語では、音節末の子音の発音が省略される傾向にあるため、発音と書き言葉の間に差異が生じます。

これは、特にブラジルポルトガル語で顕著な特徴です。

個人代名詞の使用

ポルトガル語では、主語の個人代名詞がよく省略されます。動詞の形から主語を推測することが一般的です。

イタリア語の文法

イタリア語は、ラテン語の直接の子孫とも言えるため、文法もラテン語の影響を色濃く反映している言語です。

動詞の規則性

イタリア語の動詞活用は、スペイン語やポルトガル語と比べると規則的です。

不規則動詞の数がかなり少なく、学習しようとしている方にとっては比較的理解しやすい言語と言えます。

代名詞の使用

イタリア語では、強調を必要としない限り、主語の代名詞を省略することが一般的で、文の構造がより柔軟になり、多様な表現を実現しています。

冠詞の種類と使用

イタリア語の冠詞もロマンス語と同様に、使用される名詞の性、数、そして最初の音によって形が変わりますが、特定の名詞に対する定冠詞の使用は、他のロマンス語と比べて複雑な傾向にあります。

発音の違い

歴史の違いから、文法もよく似ている3言語ですが、ここでは発音の違いを紹介します。

カタカナは似ている日本の発音を当てはめている点に注意して下さい。厳密な発音は発音記号などをご参照下さい。

スペイン語の発音

スペイン語の発音は、なんと言ってもその明瞭さとリズム感です。

以下に、特に特徴的な発音の一例を挙げます。

子音の発音

スペイン語では、多くの子音が他のロマンス語とは異なる発音をします。

例えば、「c」は「セ」や「シ」の前では「ス」の音を発し、「a」「o」「u」の前では「カ」の音のように発音されます。

また、「ll」と「y」の発音は地域によって異なります。

母音の発音

スペイン語の母音は、非常に明確で、短く発音されます。
母音の発音には揺れが少なく、他のロマンス語と比較しても非常に特徴的です。

アクセントとリズム

スペイン語はリズムが非常に重要な言語です。

強勢の位置によって単語の意味が変わることがあり、発音において非常に重要な役割を果たします。

ポルトガル語の発音

ポルトガル語の発音は、鼻音による独特の響きで知られています。

また、厳密にはブラジルポルトガル語とヨーロッパポルトガル語では発音が異なります。

鼻音の使用

ポルトガル語の大きな特徴は鼻音を多用することです。

特に、母音の後に「m」や「n」が来る場合、その母音は鼻音として発音されます。

子音の発音

スペイン語と同様に子音の違いもあります。

ポルトガル語の子音では、「l」と「r」の発音が他のロマンス語とは異なる点が特徴的です。

特に、語尾の「l」は、ブラジルポルトガル語では「ウ」に近い音として発音されることが多いです。

アクセントの特徴

ポルトガル語は、アクセントの位置が非常に重要です。

強勢の位置によって、同じ綴りの単語の意味が変わることもあるため、文章読解などでは最初は混乱するかもしれません。

イタリア語の発音

イタリア語の発音は、その明快さとメロディアスなリズムで非常に特徴的です。

母音の発音

イタリア語の母音は非常に明瞭で、他のロマンス語よりも長く、明るく発音される傾向があります。

子音の二重音

イタリア語では、特定の子音が重ねて発音されることがあります。

イタリア語特有のリズミカルな響きは、この「二重音」によりできていると言っても過言ではないでしょう。

アクセントとイントネーション

イタリア語では、単語のアクセントが非常に重要です。

また、ポルトガル語のように意味までは違わなくても、文章全体のイントネーションによって、話す内容の感情や意図が異なります。

スペイン語・ポルトガル語・イタリア語は通じる?

基本的なコミュニケーションに関しては、これらの言語間で相互理解が可能です。通常の挨拶や日常会話レベルでは、意思疎通が期待できます。

しかし詳細な会話や専門的な話題など、より複雑な会話や専門的な話題になると、言語間の違いが現れ、通じないことも徐々に出てきます。

スペイン語・ポルトガル語・イタリア語で通じる言葉の例

一般的な挨拶

これらの言語間では、日常的な挨拶や基本的な語彙が似ているため、相互に理解が可能です。

例えば「ありがとう」はスペイン語で「Gracias」、ポルトガル語で「Obrigado」、イタリア語で「Grazie」と表現され、発音や綴りがやや違うものの通じるケースが多いです。

数字

数字もこの3言語間で似ています。

例えば「二(2)」はスペイン語で「dos」、ポルトガル語で「dois」、イタリア語で「due」となり、やはり若干の違いはありますが通じます。

一般的な単語

先述の通り一般的な単語であれば通じるものが多く、例えば「パン」はスペイン語で「pan」、ポルトガル語で「pão」、イタリア語で「pane」となります。

スペイン語・ポルトガル語・イタリア語で通じない言葉の例

一方で、通じない言葉や意味が異なる言葉も存在します。

似た綴りで違う意味になる単語

文化的な背景が異なることで、同じ物事を指す言葉でも異なる単語が使用されることがあります。

例えば「砂浜(ビーチ:beach)」はスペイン語で「playa」ポルトガル語で「praia」とこの2言語では通じるかもしれませんが、イタリア語では「spiaggia」となります。

他にも以下のような例があります。

  • casa: スペイン語では「家」イタリア語では「チーズ」
  • agua: スペイン語では「水」ポルトガル語では「酸素(発音による)」
  • bella: イタリア語では「美しい」スペイン語では「彼女」

似ていても違う意味の単語

似ていても違う意味の単語も存在します。

例えば、スペイン語で「embarazada」は「妊娠している」という意味ですが、イタリア語の「imbarazzato」は「困惑している」という意味になり、ポルトガル語の「Imbarazzata」は「恥ずかしい」と大きく異なります。

他にも以下のような例があります。

  • gracioso: スペイン語では「面白い」ポルトガル語では「親切な」
  • caro: スペイン語では「高価な」イタリア語では「愛しい」

まとめ

異なる言語間でのコミュニケーションは、単に言語の壁を越えること以上の価値を持ちます。

それは、異文化を理解し、世界を広く深く知ることに繋がります。

スペイン語、ポルトガル語、イタリア語の学習を通じて、それぞれの言語の美しさと、異なる文化の多様性を存分に楽しんでください。

ChatGPTで。

この記事を書いた人

AIコンシェルジュ安江

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