トヨタの生産方式なぜなぜ分析をChatGPTにやらせるとうまくいくのか検証(プロンプト例文付き)

最近忘れられがちですが、ChatGPTは本来チャットAIなので、プロンプトを組み込んで一発で回答を得るのではなくチャットを繰り返した方が精度が高いこともよくあります。

そこで今回は、チャットを押し出した分析手法ということで「なぜなぜ分析」をChatGPTに行わせてみました。

また、やはり一発で回答を得られるプロンプトも欲しいという方のためにちょっと作ってみたのでご参考になれば幸いです。

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なぜなぜ分析とは

「なぜなぜ分析」は、何か問題が起こった時に使われることが多いのですが「なぜ起こったのか」を5回繰り返すことで真の原因(真因)を突き止める手法です。

5回にとらわれず、真因追求ができれば良いのですが、今回は5回にとらわれます。

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ChatGPTとなぜなぜ分析をやってみた

例としてお題を「LLMの普及率が低いこと」を分析します。

1.LLMの普及率が低い理由

プロンプト
「LLMの普及率はなぜ低いのですか?」

ChatGPTの回答

大規模言語モデル(LLM)の普及率が低い理由にはいくつかの要因が考えられます。以下はその主な理由の一部です:

1. 高いコストとリソース要件:LLMはトレーニングと維持に膨大な量の計算リソースを必要とします。これにより、多くの企業や研究機関にとってアクセスが困難になっています。

2. 専門知識の必要性:LLMの効果的な使用とカスタマイズには、高度な技術知識が必要です。これにより、一部の組織や個人にとってはアクセスや利用が難しくなっています。

3. 倫理的および社会的懸念:プライバシー、バイアス、誤情報の拡散などの懸念が、LLMの導入を躊躇させる要因となっています。

4. 技術的な制約:LLMはまだ完璧ではなく、誤った情報を提供することもあります。これにより、特定の用途や業界における採用が限定されている可能性があります。

5. 規制および法的な問題:データの使用とプライバシーに関連する法的な制約が、LLMの普及に影響を与える可能性があります。

これらの理由は、LLMの普及を妨げるいくつかの障壁を示しています。しかし、技術の進歩とともに、これらの障壁は時間とともに克服される可能性があります。

ChatGPT

「高いコストとリソース要件」「倫理的および社会的懸念」「技術的な制約」「規制および法的な問題」は簡単に解決できるものではないので、2「専門知識の必要性」について聞いてみます。

2.利用が難しいとされる理由

プロンプト
「2の専門知識の必要性は自然言語を利用する以上、そこまで難しくないと思いますがなぜ利用が難しいとされるのですか?」

ChatGPTの回答

「専門知識の必要性」という点について、大規模言語モデル(LLM)の使用がなぜ一部のユーザーや組織にとって難しいとされるのかをより詳しく説明します。確かに、LLMは自然言語での対話を通じて使用でき、これは多くのユーザーにとって直感的でアクセスしやすい方法です。しかし、以下の点で専門知識が特に重要になることがあります:

1. カスタマイズと最適化:LLMを特定のビジネスや研究のニーズに合わせてカスタマイズするには、データサイエンスや機械学習に関する深い知識が必要です。これには、トレーニングデータの選択、モデルの調整、パフォーマンスの評価などが含まれます。

2. 統合と展開:LLMを既存のシステムやプロセスに統合するには、ソフトウェアエンジニアリングのスキルが必要です。これにはAPIの利用、データの処理、システム間の連携などが含まれます。

3. セキュリティとプライバシー:LLMを使用する際には、データのセキュリティとプライバシーを保護するための知識が必要です。これは特に、機密情報や個人データを扱う場合に重要です。

4. 倫理とコンプライアンス:バイアスの認識や緩和、倫理的なガイドラインの遵守、法的コンプライアンスの確保など、LLMの倫理的使用に関する専門知識が求められます。

5. 問題の特定と解決:LLMが提供する解答や結果に問題があった場合、その原因を特定し、適切な解決策を見つけるためには専門的な知識が必要です。

これらの側面を考慮すると、LLMの利用は一般ユーザーが対話を行うだけではなく、より複雑な技術的なスキルや知識を必要とする場合があることがわかります。

ChatGPT

3.チャット機能すら普及していない理由

1〜5まで、専門的すぎるので、次のプロンプトを以下のようにします。

「ほとんどの人にとって上記のことまで理解する必要はなく、チャットができるだけで生産性が上がると思うのですがチャットとしての利用ですら普及しきっていないのはなぜですか?」

チャットとしての大規模言語モデル(LLM)の利用がまだ広く普及していない理由には、以下のような要因が考えられます:

1. 認知度と理解の欠如:多くの人々がまだLLMの存在や機能について十分に認識していない可能性があります。また、その利用方法や利点を理解していないため、積極的に使用することがないかもしれません。

2. アクセシビリティの問題:LLMを利用するためのプラットフォームやインターフェースが、一部のユーザーグループにとって利用しにくい場合があります。特に、技術的な背景がない人々にとっては、これらのツールの使用が直感的でない可能性があります。

3. 品質と信頼性の懸念:LLMが提供する回答の品質や正確性に関する懸念が、その利用をためらわせる可能性があります。特に、重要な意思決定や専門的な情報を求める場合、ユーザーはLLMの回答を信頼できるかどうか疑問に思うかもしれません。

4. 文化的および言語的障壁:LLMが特定の言語や文化的背景に特化している場合、異なる言語や文化のユーザーにはアピールしづらいかもしれません。また、特定の文化や地域のニュアンスを理解するのが難しい場合もあります。

5. プライバシーとセキュリティの懸念:ユーザーは自分のデータがどのように扱われ、保護されるかについて懸念を持つかもしれません。これは、特に個人的な会話や機密情報を扱う場合に顕著です。

6. マーケティングと普及の戦略:LLMの提供者によるマーケティング戦略や普及活動が十分でない場合、多くの潜在的なユーザーにリーチすることができない可能性があります。

これらの要因は、LLMが広く普及するためには、ユーザーの認知度を高め、使いやすさを改善し、品質と信頼性を向上させる必要があることを示しています。また、様々な文化的・言語的背景を持つユーザーに対応するための努力も重要です。

ChatGPT

深掘りするなら1の「認知度と理解の欠如」になりますかね。

4.認知度や理解が進んでいない理由

プロンプト
「1の認知度と理解の欠如に関して、ChatGPTが広まってから1年ほど経ちますが、認知、理解されていないのはなぜですか?」

ChatGPTの回答

ChatGPTの認知度と理解が一年経った現在でも完全には広まっていない理由には、複数の要因が考慮される可能性があります:

1. 限定的な露出とマーケティング:ChatGPTや類似のLLMが特定のコミュニティや業界内でのみ広く紹介されている可能性があります。全般的なメディア露出や一般向けのマーケティングが不足している場合、一般大衆の認知度は限られたままかもしれません。

2. 技術的複雑さに対する誤解:多くの人々が、ChatGPTのような技術が高度に技術的で、理解や使用が難しいと誤解している可能性があります。これは、技術的な背景がない人々にとって、その採用をためらう原因になるかもしれません。

3. 実用的な用途の不明瞭さ:ChatGPTの実用的な応用例や利点が十分に伝わっていない可能性があります。人々がその利用方法や利点を理解できない場合、積極的に使用する動機がないかもしれません。

4. 変化への抵抗と慣習:新しい技術の採用には時間がかかることがあり、特に既存の方法やツールに慣れ親しんでいる人々は変化に抵抗を感じることがあります。

5. 言語と地域の違い:ChatGPTは主に英語で最適化されており、他の言語や地域におけるニーズに完全に対応していないかもしれません。これは、特定の地域や言語話者にとっての利用の障壁になる可能性があります。

6. プライバシーとセキュリティの懸念:データのプライバシーとセキュリティに関する懸念が、一部の人々がChatGPTを試すことを躊躇させている可能性があります。

これらの要因は、ChatGPTや類似のLLMが広く普及するためには、一般の人々に対する教育、アウトリーチ、利便性の向上が必要であることを示しています。また、異なる言語や文化に対応する能力の強化も重要です。

ChatGPT

2ターン目ぐらいでここまで行きたかったです。

5.ChatGPTを紹介するコンテンツは多いのに普及していない理由

5回に縛られすぎるのがよくないのはわかっているのですが、一応リミットなのでここで真因まで行ければと思います。

プロンプトは以下のようなものです。
「ChatGPTを紹介するコンテンツは世の中に溢れています。それでもなお普及しない最も大きな理由は何ですか?」

ChatGPTの回答

ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)が、広範なコンテンツの存在にもかかわらず、なお広く普及していない最も大きな理由として、以下のポイントが考えられます:

1. 適用可能性の認識不足:多くの人々が、自分の日常生活や仕事においてChatGPTをどのように利用できるかを完全には理解していない可能性があります。技術に関する情報は豊富にあっても、その実用的な適用例を示すコンテンツが不足しているかもしれません。

2. 体験への障壁:人々がChatGPTを直接体験する際の障壁が存在する可能性があります。これにはアクセスの容易さ、インターフェースの直感性、初期設定の簡便さなどが含まれます。

3. 品質と信頼性の懸念:ChatGPTの回答の品質や信頼性に対する疑問が、広範な採用を妨げている可能性があります。特に専門知識を必要とする領域や重要な意思決定において、人々は機械生成の回答を完全に信用することにためらいを感じるかもしれません。

4. 文化的および言語的適合性:ChatGPTが特定の言語や文化に特化しているため、異なる言語や文化のコンテキストでの使用に適していない場合があります。これにより、特定の地域や言語話者にとってのアピールが限られる可能性があります。

5. 変化への抵抗と慣習の維持:新しい技術の導入にはしばしば抵抗が伴い、人々は既存のツールや手法に慣れ親しんでいるため、新しいアプローチに移行することに躊躇することがあります。

6. データプライバシーとセキュリティの懸念:ChatGPTのようなツールの使用に関連するデータプライバシーやセキュリティの懸念が、一部の人々にとって大きな障壁になっている可能性があります。

これらの要因は、ChatGPTの広範な採用に影響を与える複合的な課題を示しています。これらの課題を克服するには、適用可能性の明確化、アクセスの簡素化、品質の向上、文化的・言語的適合性の強化、プライバシー保護の確保など、多面的なアプローチが必要です。

ChatGPT

なぜなぜ聞きすぎて怒ってる気がしてきましたのでこの辺で。5回やったし。
問題が難しすぎたかもしれません。

なぜなぜ分析を1発で行なうプロンプト

多分話し合いあいながらの方が良いと思いますが、1発でやってくれるプロンプトを作ってみました。

命令:
以下の{プロセス} に従って{出力フォーマット} 通りに回答を生成してください。

#プロセス:
ステップバイステップで考えてください。
{問題点} に対して1度回答を出力します。これを「回答1」 とします。
「回答1」 に対してさらになぜそのようなことが起こったのか質問文を生成します。これを「質問文1」 とします。
「質問文1」 に対する回答を生成します。これを「回答2」 とします。
「回答2」 に対してさらになぜそのようなことが起こったのか質問文を生成します。これを「質問文2」 とします。
上記のプロセスを「回答5」 まで生成する必要があります。
それぞれの出力は100字程度で行います。
説明や注釈は不要です。

#出力フォーマット:
{問題点}:
回答1:
質問文1:
回答2:
質問文2:
回答3:
質問文3:
回答4:
質問文4:
回答5:

#問題点:”(ここに問題点を入力)”

問題点を「消費者行動は多様化しているためアプローチ方法を変える必要性があるのになぜ浸透しないか」としてみます。

ChatGPTの回答

{問題点}: 消費者行動は多様化しているためアプローチ方法を変える必要性があるのになぜ浸透しないか

回答1: 企業は変化に迅速に対応できず、従来の手法に固執するため、新しいアプローチが浸透しづらい。

質問文1: なぜ企業は変化に迅速に対応できないのか?

回答2: 変化に対応するには、組織の柔軟性と適応能力が必要だが、多くの企業ではこれが不足しているため。

質問文2: なぜ多くの企業で組織の柔軟性と適応能力が不足しているのか?

回答3: 組織の規模が大きくなると、内部のコミュニケーションや意思決定プロセスが複雑化し、変化に対する反応速度が遅れる。

質問文3: どのようにして大規模な組織でも柔軟性と適応能力を高めることができるのか?

回答4: 小さなチームに分けて運営し、各チームが独立して意思決定を行い、迅速に対応できる体制を整えることが有効。

質問文4: 小さなチームに分けることによって生じる問題はないのか?

回答5: 小さなチームでは、全体のビジョンや戦略がブレる可能性があり、統一された方向性を保つための調整が必要。

ChatGPT

例文として扱うにはどうしても本来の使い方のような「企業ごとのなぜなぜ」ではなく「社会的ななぜなぜ」にせざるを得ないため難易度は高いのですが、まあそれなりに機能しています。

「なぜ」にこだわって再度プロンプトを作成してみます。

#命令:
以下の{プロセス} に従って{出力フォーマット} 通りに回答を生成してください。

#プロセス:
ステップバイステップで考えてください。
{問題点} に対して1度回答を出力します。これを「回答1」 とします。
「回答1」 に対してさらになぜそのようなことが起こったのか質問文を生成します。これを「質問文1」 とします。
「質問文1」 に対する回答を生成します。これを「回答2」 とします。
「回答2」 に対してさらになぜそのようなことが起こったのか質問文を生成します。これを「質問文2」 とします。
質問文は「なぜ〜なのか」という形式である必要があります。
上記のプロセスを「回答5」 まで生成する必要があります。
それぞれの出力は100字程度で行います。
説明や注釈は不要です。

#出力フォーマット:
{問題点}:
回答1:
質問文1:
回答2:
質問文2:
回答3:
質問文3:
回答4:
質問文4:
回答5:

#問題点:”消費者行動は多様化しているためアプローチ方法を変える必要性があるのになぜ浸透しないのか”

ChatGPTの回答

{問題点}: 消費者行動は多様化しているためアプローチ方法を変える必要性があるのになぜ浸透しないか

回答1: 消費者行動の多様化に対応する新しいアプローチが浸透しないのは、既存のビジネスモデルや戦略に固執し、変化に対する抵抗感があるためです。

質問文1: なぜ既存のビジネスモデルや戦略に固執する傾向があるのか?

回答2: 企業は過去の成功体験や確立された方法に依存することが多く、新しいアプローチに対してはリスクが伴うため躊躇する傾向があります。

質問文2: なぜ新しいアプローチにリスクが伴うと感じるのか?

回答3: 新しいアプローチは市場の不確実性が高く、成果が保証されないため、企業は投資に対するリターンが不透明と感じることがあります。

質問文3: なぜ市場の不確実性が新しいアプローチの障害となるのか?

回答4: 市場の不確実性は消費者の需要予測が困難であり、企業が新しいアプローチを試みる際にどのような反応が得られるか予測しにくいためです。

質問文4: なぜ消費者の需要予測が困難なのか?

回答5: 消費者の行動や嗜好が急速に変化し、多様化しているため、従来のデータやトレンド分析では捉えにくい新たな傾向が生まれているからです。

ChatGPT

綺麗に5ターンでループしましたね。

なぜLLMは能力の割に普及していないのか

人力で行なった、先ほどの問題点の分析を自動化してみます。

{問題点}: なぜLLMは能力の割に普及していないのか

回答1: LLM(Large Language Models)が十分に普及していないのは、高いコスト、必要な技術力の高さ、そして一般の認識不足によるものです。

質問文1: なぜLLMを運用するのに高いコストがかかるのか?

回答2: LLMを運用するには大規模なコンピューティングリソースと専門的な技術が必要で、これらは高いコストを要するためです。

質問文2: なぜLLMの運用に専門的な技術が必要なのか?

回答3: LLMは複雑なアルゴリズムと大量のデータで構築されており、これらを効果的に管理し活用するためには専門的な知識が必要です。

質問文3: なぜ一般の認識不足がLLMの普及に影響を与えているのか?

回答4: LLMの機能や可能性についての一般的な理解がまだ浅く、その有用性や適用可能なシナリオが十分に認識されていないためです。

質問文4: なぜLLMの有用性や適用可能なシナリオが十分に認識されていないのか?

回答5: LLMは比較的新しい技術であり、その実用例や成功事例がまだ多くないため、その潜在的な価値や用途が広く知られていないからです。

ChatGPT

まとめ

今回は無難な質問だったため無難なアンサーを返されましたが、より具体的な物であれば充分使えるかと思います。#背景: などのコマンドで会社の置かれた状況などを追記するとかなり精度は上がりそうな気がします。

このような便利なプロンプトがたくさんあるプロンプトパークをぜひ試してみてはいかがでしょうか?

関連記事:プロンプト文例集「プロンプトパーク」の使い方・おすすめの人を紹介!

この記事を書いた人

AIコンシェルジュ安江

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