ChatGPTに具体例を提示してもらう「パレートの法則(80:20の法則)」を利用したプロンプトを紹介

ChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)は、無難な回答をする傾向にあります。

あまりに独自性の高い答えを出すと問題になるので仕方ない部分もありますが、結構な頻度でもっと面白い答えが欲しいと思っている方もいらっしゃるでしょう。

今回は、そんな方のために「パレートの法則」を転用したプロンプトを紹介しますのでぜひ使ってみてください。

AIが出したとは思えない、かつ現実的な回答を得ることができます。

関連記事:プロンプト集「プロンプトパーク」とは?ChatGPTや他のサービスとも比較!

プロンプト

プロンプト自体は簡単です。

普通に聞きたいことの後に、「〜の80%を達成するための20%の重要なことを教えてください」と付け加えるだけです。(文脈に応じて多少の変化はあります)

具体例1

「熱海で温泉を満喫するために必要なことの80%を達成する20%の重要なことを教えてください」

ChatGPTの回答

「熱海で温泉を満喫するために必要なことの80%を達成する20%の重要なことを教えてください」という質問に対するChatGPTの回答

熱海で温泉を満喫するために、重要なことの20%をフォーカスすることで、80%の満足度を得ることができます。以下に、簡略化された重要なポイントをいくつか挙げてみます。

1. 温泉宿の選択:

   温泉宿の選択が全体の体験に大きな影響を与えます。快適な宿泊施設を選び、温泉にアクセスしやすい場所を選びましょう。

2. 温泉の入浴:

   温泉に入浴することがメインの目的です。温泉宿に泊まらなくても、日帰り入浴を楽しむことができます。温泉の効能を感じながらリラックスしましょう。

3. 露天風呂を体験:

   露天風呂は温泉の醍醐味の一つです。開放感ある露天風呂を利用して、自然を感じながら入浴しましょう。

4. 地元料理を味わう:

   地元の海産物や特産品を楽しむことで、地域の食文化を体験できます。地元のレストランや食堂で食事を楽しんでみましょう。

5. リラックス:

   温泉地はリラックスするための絶好の場所です。疲れを癒し、日常のストレスから解放される時間を大切にしましょう。

6. 観光スポットの選択:

   限られた時間で観光するなら、自分の興味に合った観光スポットを選んでみましょう。

Written with ChatGPT

普通の聞き方をすると「熱海で温泉を満喫するにはどうすればいいですか」のようになり、いつものように無難な回答をしてもらえます。

ChatGPTの回答

「熱海で温泉を満喫するにはどうすればいいですか」という質問に対するChatGPTの回答

熱海で温泉を満喫するために、以下のステップを参考にしてみてください。

1. 温泉宿を予約する:

   熱海には多くの温泉宿があります。予算や好みに合った宿を選んで予約しましょう。熱海の宿は日帰り温泉施設も多いので、宿泊しなくても利用できる場合もあります。

2. 温泉を楽しむ:

   宿に到着したら、温泉を楽しむ準備をしましょう。温泉に入る前にシャワーを浴びて体を清潔にし、温泉にゆっくり浸かりましょう。熱海の温泉は美肌やリラックス効果があると言われています。

3. 露天風呂を試す:

   熱海の多くの宿には露天風呂があります。夜空の下で温泉に浸かるのは特にロマンチックです。時間帯によっては、静かな雰囲気を楽しむことができます。

4. 地元の食事を堪能する:

   熱海では新鮮な海産物が豊富です。地元のレストランや食堂で海の幸を堪能しましょう。海鮮丼や黒毛和牛の料理は地元の名物です。

5. 観光名所を訪れる:

   温泉以外にも熱海には観光名所がたくさんあります。熱海城や伊豆急行線の熱海駅周辺を散策したり、近くのビーチで海水浴を楽しんだりすることもできます。

6. 地元の特産品を購入する:

   熱海でしか手に入らない特産品やお土産を探してみましょう。例えば、熱海焼きや地元のお菓子を試してみることができます。

7. ゆったりと過ごす:

   最も重要なのは、リラックスして温泉地を楽しむことです。忙しい日常から離れ、温泉の恵みを存分に堪能しましょう。

熱海は温泉地として有名で、美しい景色や豊かな食事、観光スポットも楽しむことができます。自分の好みや予算に合わせて、温泉旅行を計画してみてください。

Written with ChatGPT

パレートの法則を利用したはじめの回答の方がより具体的で、何をすれば良いのかがわかりやすいですね。

とりあえず具体例として、温泉の選定から始めようと考えることができます。

具体例2

プロンプト

「AIを生成するために必要なことの8割を達成するための2割の重要なことを教えてください」

80%と20%と入力したら「パレートの法則ですね」と言われてなんか嫌だったので書き換えました。

問題はないのですが、見透かされた感じがちょっと嫌だっただけです。

ChatGPTの回答

「AIを生成するために必要なことの8割を達成するための2割の重要なことを教えてください」という質問に対するChatGPTの回答

AIを活用するために成功するためには、多くの要素が関与しますが、そのうちの8割は以下の2割の要因に帰結することが多いです。以下にそれらを説明します。

1. データの品質と量:

   AIモデルは大量のデータに依存しています。データが不足していたり、品質が悪かったりすると、AIの性能が低下します。データの収集、クレンジング、ラベリング、保管、および更新を適切に管理することが重要です。

2. 適切なアルゴリズムとモデルの選択:

   AIプロジェクトの成功には、適切なアルゴリズムとモデルの選択が不可欠です。問題の性質に合ったモデルを選び、ハイパーパラメータを調整することが必要です。さらに、モデルのトレーニングと評価を適切に行う必要があります。

これらの要因はAIプロジェクトの中核を成しますが、他にも重要な要素があります。データプライバシー、倫理的な考慮事項、導入と運用の計画、エンドユーザーへのコミュニケーションなどがその一部です。しかし、データの品質と適切なモデル選択が不足していても、他の要素が完璧であっても、プロジェクトは成功しづらくなります。したがって、これらの要因に重点を置いて取り組むことが重要です。

Written with ChatGPT

では、チャットをリセットして「生成AIを活用するために必要なことはなんですか」と聞いてみます。

ChatGPTの回答

「生成AIを活用するために必要なことはなんですか」という問いに対するChatGPTの回答

生成AIを活用するためには、以下のいくつかの要素が必要です。

1. コンピュータリソース: 生成AIモデルは計算資源が豊富な環境で実行する必要があります。特に大規模なモデルを訓練したり、高品質の生成結果を生成したりするためには、高性能なハードウェアが必要です。GPUやTPUなどの高速なハードウェアアクセラレータを利用できることが役立ちます。

2. データセット: 生成AIモデルを訓練するためには大規模なデータセットが必要です。例えば、文章生成の場合、多くのテキストデータが必要です。データの品質と多様性が高いほど、モデルの性能が向上します。

3. モデルとフレームワーク: 生成AIを活用するには、適切なモデルとディープラーニングフレームワークが必要です。最近の生成AIモデルには、GPTシリーズやBERTなどがあります。また、TensorFlowやPyTorchなどのフレームワークを利用してモデルを実装およびトレーニングすることが一般的です。

4. プログラミングスキル: 生成AIを活用するためには、ディープラーニングモデルの訓練とデプロイメントに関するプログラミングスキルが必要です。Pythonなどのプログラミング言語を熟練させることが役立ちます。

5. ドメイン知識: 特定のドメインで生成AIを活用する場合、そのドメインに関する知識が不可欠です。たとえば、医療分野で生成AIを活用する場合、医療知識が必要です。

Written with ChatGPT

よく見たら質問をこっそり捻じ曲げられていますが、それでもやはり2割で指定したプロンプトの方が具体的でやるべきことを教えてくれています。

具体的な回答をしてほしい時はこのようなパレートの法則を利用したプロンプトの他にも、ReAct(リアクト)プロンプトというものも有用です。

関連記事:ChatGPTなどのLLMに考えさせるReAct(リアクト)プロンプトとは

そもそもパレートの法則はなぜ成り立つのか解説

パレートの法則とは、全体の結果のうち80%は全体の原因のうち20%によって生み出されるという法則です。

そもそもこの法則はなぜ成り立つのかをここで解説します。AIが。

パレートの法則とは

パレートの法則は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートによって発見されました。

パレートは、イギリスの土地所有に関するデータから、全体の土地の80%は全体の土地所有者の20%によって所有されていることを発見しました。

この法則は、経済学だけでなく、ビジネス、マーケティング、人生などさまざまな分野で当てはまります。

パレートの法則が成り立つ理由

パレートの法則がなぜ成り立つのかは、さまざまな統計的な要因が考えられます。

以下のようなものが一例です。

経験則の背後にある理論

パレートの法則は、問題や現象を要素に分解し、そのうちの一部が結果に大きな影響を与えることを指摘しています。これは、提唱者でもある経済学者ヴィルフレド・パレートが経済において観察した経験則に基づいています。

要因の不均一性

パレートの法則によれば、要素が全体に占める割合には偏りがあります。

一部の要素が他の要素よりも重要であることが多いため、その一部の要素を効果的に管理または最適化することで、効果的な改善が生まれてきました。

経験的な観察

パレートの法則は、実際のビジネスや組織においても観察されており、重要視されています。

一部の従業員や顧客が全体の成果や利益に大きな寄与をする場合も多くあり、これらの要素に焦点を当てることが成功の鍵とされます。

統計的事実

パレートの法則は統計的事実であり、厳密な数学的証明ではなく、経験則として認識されています。しかし、統計的には一部の要素が他よりも大きな影響を持つことが多いとされています。

パレートの法則が成り立つ状況

パレートの法則は統計的なものですので、成り立ちやすい状況が存在します。

以下のような状況です。

規模が大きなとき

スケールが大きくなるほど、パレートの法則は当てはまりやすくなります。

例えば、企業の売上を考えると、上位20%の顧客が全体の売上80%を占めている場合がよくあります。これは、上位20%の顧客がより多くの商品やサービスを購入したり、より高額な商品やサービスを購入する傾向があるためです。

「大規模」言語モデルに通ずるところがありそうですね。

ネットワーク効果

2つ目の要因は、ネットワーク効果です。

ネットワーク効果とは、ネットワークの利用者が増えるほど、ネットワークの価値が高くなる現象です。例えば、SNSを考えると、ユーザーが増えるほど、SNSの価値が高くなります。

これは、ユーザーが増えるほど、SNS上の情報が増えるためです。マイナーなSNSを知っている方はイメージしやすいかもしれません。

パレートの法則は、ネットワーク効果のある分野で当てはまりやすくなります。これは、上位20%のユーザーがネットワークの価値の80%を生み出しているためです。

才能の偏り

3つ目の要因は、才能の偏りです。

才能の偏りとは、一部の人だけが際立った才能を持っている現象です。例えば、スポーツ選手を考えると、一部の選手だけが際立った成績を残しています。これは、一部の選手だけがスポーツの才能に恵まれているためです。

パレートの法則は、才能の偏りがある分野で当てはまりやすくなります。これは、上位20%の人の才能が全体の結果の80%を生み出しているためです。

パレートの法則が当てはまらないケース

パレートの法則はさまざまな分野で当てはまる法則ですが、数学的に証明された万全な法則ではありません。従って、パレートの法則が当てはまらないケースもあります。

例えば、ランダムな要素が強い分野では、パレートの法則が当てはまらない場合があります。また、パレートの法則は、過去のデータを分析した結果得られた法則であるため、将来も同じ結果になるとは限りません。

パレートの法則を活用する方法

パレートの法則を理解すると、さまざまな分野で活用することができます。

例えば、ビジネスではパレートの法則を活用して、上位20%の顧客や商品に注力することで収益性を向上させることができます。マーケティングでは、上位20%の顧客や商品にターゲットを絞ったマーケティングキャンペーンを行うことで、より効果的なマーケティング施策を実施することができます。

まとめ

パレートの法則を適用すれば、世の中の常識のようなものの80%は20%の要因から成り立つことがわかります。

AIも80%以上の正答率を出すために20%の要因を学習しているのです。そのため、具体的な回答を生成することが可能となります。

AIが回答の中で無難に逃げていくことに面白みを感じなくなってしまった方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

関連記事:プロンプト文例集「プロンプトパーク」の使い方・おすすめの人を紹介!

この記事を書いた人

AIコンシェルジュ安江

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