ChatGPTなどのLLMに考えさせるReAct(リアクト)プロンプトとは
ChatGPTに出す指示のことをプロンプトと言いますが、プロンプトの中にも、様々な定型的な手法があります。
ChatGPTは無難な回答をすることに長けているので、もっと具体的な答えが欲しいという経験をした方もいらっしゃるでしょう。
今回紹介するReActとは、ChatGPTなどのLLMに推論と行動を起こさせて具体的な答えを導き出すプロンプトで、ReasoningとActingを組み合わせた言葉です。
実際に行っていきますので、ぜひ参考になさってください。
ReActプロンプトテンプレート
早速プロンプトをお伝えします。
こちらです。
(言いたい内容)
Thought:
Action:
Observation:
たったこれだけです。
実践してみましょう。
プロンプト
AIを勉強する必要性を考えさせる方法はありますか?
Thought:
Action:
Observation:
ChatGPTの回答
これだけでも長いですが、実はもっと続きます。
全文は以下の文章です。
AIを勉強する必要性を考えさせる方法は以下のようにアプローチできます:
Thought (考え):
- 問題提起: AIが私たちの日常生活や産業にどのように影響を与えているかについて議論を始めることが重要です。AIが医療、自動運転、教育、金融などさまざまな分野でどのように活用されているかを考えさせます。
- 個人的な関心を強調: 各人がAIに関心を持つ特定の理由があるかもしれません。例えば、個人の仕事やキャリアにAIがどのように影響を与えるか、またはAIが将来の仕事の選択肢にどのような可能性を提供するかを考えます。
- インパクトの可視化: AIの発展により、データ分析、自然言語処理、画像認識などの技術が進歩しています。これらの技術が現実世界の問題をどのように解決できるかをイメージさせることが大切です。
Action (行動):
- リソースの提供: AIの勉強に取り組むための学習リソース、オンラインコース、書籍などを提供します。これにより、学習へのアクセスが容易になります。
- プロジェクトの奨励: AIを実際に活用したプロジェクトを実施することを奨励します。例えば、機械学習モデルの構築やAIアプリケーションの開発などです。
Observation (観察):
- 成果の共有: AIに関する学習やプロジェクトの成果を共有し、その成果がどのように現実の問題解決に役立つかを示します。
- 興味の追跡: 学習者がAIに対する興味を継続的に追跡し、新しい展開や応用に関する情報を提供します。
以上の方法を通じて、AIの重要性や必要性について考え、実際の行動を通じて学習者を奨励し、その成果を観察することができます。
Written with ChatGPT
これで、LLMにありがちな無難な答えに逃げることをかなり阻止できます。
さらに問い詰めることも可能です。
プロンプト
AIの重要性や必要性について考え、実際の行動を通じて学習者を奨励し、その成果を観察するにはどうすればいいですか?
Thought:
Action:
Observation:
ChatGPTの回答
AIの重要性や必要性について考え、実際の行動を通じて学習者を奨励し、その成果を観察するために、以下の方法を考慮できます:
Thought (考え):
- 問題提起: AIの重要性について議論を開始し、AIがどのように私たちの生活や社会に影響を与えているかについて考えさせます。
- パーソナルな関心を強調: 各学習者がAIに対する個人的な興味や関心を強調します。それがキャリア目標、ビジョン、または個人的なプロジェクトと関連している場合、それに焦点を当てます。
Action (行動):
- 学習リソース提供: AIに関する学習資料、オンラインコース、ウェブサイト、論文、書籍などのリソースを提供します。学習者が必要な情報にアクセスできるようにします。
- プロジェクトの提案: AIの実用的なプロジェクトアイデアを提案し、学習者にプロジェクトを選択して取り組む機会を提供します。例えば、機械学習モデルの構築、データ分析プロジェクト、AIアプリケーションの開発などが考えられます。
- 学習コミュニティの構築: 学習者同士が情報を共有し、相互にサポートできるコミュニティを構築します。オンラインフォーラムやグループ学習セッションを組織することが有用です。
Observation (観察):
- 進捗のトラッキング: 学習者の進捗をトラッキングし、定期的な進捗報告を求めます。これにより、学習者が実際に行動しているかどうかを確認できます。
- プロジェクト成果の評価: 学習者のプロジェクト成果を評価し、フィードバックを提供します。このフィードバックは、学習者が向上するための指針となります。
- 成果共有と報告: 学習者がプロジェクトの成果を共有し、他の学習者やコミュニティと共有する機会を提供します。成果がどのように実際の課題解決に役立ったかを強調します。
これらのアプローチを通じて、AIに対する学習者の関心を高め、実際の行動を奨励し、その成果を観察することができます。
Written with ChatGPT
無論逃しません。
AIの重要性を提起し、リソースも与えていますが、なかなか行動に移さない人に対してどのようなアプローチをすれば良いですか?
Thought:
Action:
Observation:
ChatGPTの回答
AIの重要性を提起し、リソースを提供しても、行動に移さない人に対処するためには、次のアプローチを検討できます:
Thought (考え):
- 個別の動機づけを理解: なぜその人が行動に移らないのかを理解しようとしましょう。彼らの個別の動機や関心に焦点を当てることが重要です。彼らがAIを学びたい理由や目標を尊重しましょう。
- 障害要因を特定: 行動に移らない理由を特定しましょう。可能性としては、情報不足、自己効力感の不足、恐れ、モチベーションの欠如などが考えられます。
Action (行動):
- サポートを提供: 学習者がどのようなサポートを必要としているかを尋ねましょう。彼らに合った学習リソースや方法を見つけ、アドバイスや支援を提供しましょう。
- 小さなステップを奨励: AIの学習を大きなプロジェクトとして捉えず、小さなステップから始めることを奨励しましょう。初めから完璧を求めず、少しずつ進めるように促しましょう。
- モチベーションを刺激: 彼らのモチベーションを刺激する方法を考えましょう。自分の関心に合ったプロジェクトや応用例を示し、成功体験を経験できるようにしましょう。
Observation (観察):
- 進捗のモニタリング: 彼らの進捗を定期的にモニタリングし、進展を確認しましょう。達成した目標を認識し、賞賛することでモチベーションを高めることができます。
- フィードバックと調整: 彼らの学習プロセスに対するフィードバックを提供し、必要に応じてアプローチを調整しましょう。彼らのニーズに合ったカスタマイズが大切です。
- 長期的なサポート: 学習者が長期的に継続的に学び続けるためのサポートを提供しましょう。モチベーションの波があることを理解し、持続可能な学習環境を提供します。
これらのアプローチを通じて、行動に移さない学習者に対して個別に対応し、モチベーションを高め、学習を促進できるでしょう。
Written with ChatGPT
かなり具体的な答えで参考になりますね。具体的な答えをもっと簡易的にほしい場合は、「パレートの法則」を利用する方法もあります。
関連記事:ChatGPTに具体例を提示してもらう「パレートの法則(80:20の法則)」を利用したプロンプトを紹介
ステップ・バイ・ステップと併用する
ステップバイステップ(Step by Step)はよく使われるプロンプトで、AIに物事を順序立てて考えさせる手法です。
こちらをReActに織り交ぜます。
プロンプト
AIに対する自己効力感の不足、恐れ、モチベーションの欠如を排除し、AIの勉強を自発的にしてもらう方法を教えてください。
ステップバイステップで答えてください。
Thought:
Action:
Observation:
ChatGPTの回答
AIに対する自己効力感の不足、恐れ、モチベーションの欠如を克服し、AIの勉強を自発的に行うためのステップバイステップの方法を以下に示します:
Thought (考え):
- 目標の明確化: 学習者にAIを学ぶ目標を具体的に明確にさせます。なぜAIを学びたいのか、どのようなスキルや知識を身につけたいのかを明確にしましょう。
- 認知の変容: AIに関する誤解や誤った信念を明らかにし、正確な情報に基づいた認識に変える助けを提供します。AIが難しいものではなく、学習可能であることを示します。
Action (行動):
- 小さなステップから始める: AIの学習を小さなステップから始め、圧倒されないようにしましょう。最初のステップは、AIの基本的な概念や用語の理解から始めることができます。
- 学習リソースの提供: AIの学習に役立つオンラインコース、教材、ツールを提供し、アクセスしやすくします。学習者が必要な情報にアクセスできるようにしましょう。
- サポートと指導: 学習者に対して個別のサポートを提供し、質問に答えたり課題を解決したりするお手伝いをします。また、学習計画や目標設定の指導も行いましょう。
Observation (観察):
- 進捗のモニタリング: 学習者の進捗を定期的にモニタリングし、達成した目標を認識しましょう。成功体験は自己効力感を高めます。
- フィードバックと調整: 学習者に対してフィードバックを提供し、必要に応じて学習計画を調整します。継続的な改善を奨励します。
- 目標達成の祝賀: 学習者が目標を達成した際には、その成果を祝福しましょう。達成感を高め、モチベーションを維持します。
- 共感と支援: 学習者が困難に直面したときには共感し、支援を提供します。モチベーションの低下や恐れを共有し、対処策を見つける助けをします。
- コミュニティの構築: 学習者同士が情報交換や経験共有できるコミュニティを提供し、学習環境をサポートします。
これらのステップを順番に実行し、学習者がAIの学習に自発的に取り組むようにサポートすることが重要です。自己効力感の向上や恐れの克服、モチベーションの維持は、継続的なサポートと積極的なフィードバックを通じて達成できるでしょう。
Written with ChatGPT
かなり現実味のある答えが返ってきました。
ReActはプロンプトとしても簡単で効果的なものです。しかし、通常は面倒なプロンプトの方が多いのが現状です。
ぜひプロンプトパークで、面倒な入力をせずにプロンプトを実感してみてはいかがでしょうか。